1:喫煙の妊娠に及ぼす影響:まず、喫煙している女性は妊娠しづらいとされています。子供を欲しい夫婦は、2人とも禁煙すべきです。さて、妊娠したとしても問題があります。妊娠中でも喫煙を続ける妊婦は91年の調査1)で4.4%ですが、近年の20代女性の喫煙率増加から見れば、もう少し増えているでしょう。
タバコの中のニコチンは血管を細くします。そのためお母さんから胎児に流れる子宮への血流量
が少なくなり、胎児に送られる酸素と栄養が少なくなります。さらに、タバコの一酸化炭素が母体の血液中に増え、その分も酸素が不足します。この二重の低酸素状態が胎児に悪影響を与えることになります。
まず、妊娠中の喫煙者は、喫煙しない人と比べ自然流産の頻度が1.5倍前後高くなることが国内外の研究で共通
して確かめられています。また、図4左に見るように、早産児発生率も妊娠中の喫煙本数が増えるに比例して増加し、1日16本以上喫煙の妊婦では約20%にもなります。低体重児発生率も、図4右に見るように、妊娠中の喫煙本数が増えるに比例して増加し、1日16本以上喫煙の妊婦では20%にせまります。さらに、子供の先天異常のうち唇裂・口蓋裂と心臓の先天異常は妊婦の喫煙に関係ありと言われています。
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